■惣福寺の由来
高野山と海南・和歌山を結ぶ往還のちょうど中間点にあたる美里町・国吉の貴志川右岸の山腹に在り、宝亀元年(西暦770年)道光上人開基と伝えられている。
大御堂と呼ばれている本堂は、その佇まいスケールにおいて野上谷第一である。本尊は千手観世音菩薩であり、不動明王も祠られ、最近堂前に弘法大師像も建立された。広々とした社寺境内、杉・高野槙・楠・梛・椎などの大木から成る社寺林を背景にして、熊野権現社との調和もよく、宗教的情趣に富み、境内とその周辺は、名木『将軍桜』をはじめとする桜の名所でもあり、訪れる人の気持ちをすがすがしく、明るくし、心を和ませてくれる。
寺では、寺宝の大般若経を所有し、本堂の裏手には、文化財としても価値のある坂上田村麻呂ゆかりの石塔が現存する。本堂前の無串子(インドでは、この実を数珠にも利用している)の大木も趣きがあり、夏日訪れる人に日陰を提供してくれる。また、本堂と隣接して、町営の青少年活動、社会人研修、高齢者の憩いの場、いずれにも適し、町内外のだれでも利用できる施設・セミナーハウスが建設され利用者を待っている。
豊富な緑、小鳥のさえずり、四季折々の花、特に都会地に住む人達には、たまらない魅力である。このような環境のなかに位置し、「人々に、安らぎをあたえて、苦しみを抜く」(抜苦・安心)というのが、本寺第一の誓願である。
■観光
寺の麓の貴志川の対岸には、かじか荘という気軽に食事・入浴もできる町営の宿舎があり、寺の裏山、森林内の散策道を登ると15分ぐらいで有名な「みさと天文台」につくことができる。この地域の貴志川は、清流に富み、川幅もひろく、川遊びやキャンプに最適であり、川の右岸斜面には柿畑が広がり、富有柿・平種柿など柿の名産地でもある。
■年中行事