■釜滝薬師 金剛寺の由来
当山の薬師如来は諸病消除の御誓願により天長十二年今から千百五十年の昔、天台山慈覺大師が諸国修行の途上、此の地にさしかかり当山より約八〇〇メートル下流、釜の淵の天然記念物『甌穴』の神秘さにうたれ、御歳、四十二歳の時、心身の病気平癒特に目の守護仏として、仏像を刻み安置された。又運盛のめ、草木の芽に至るまで御堂に参篭し、一心に祈念すれば衆病悉除・心願成就の霊験、殊に著しく近郷遠郷を問わず参詣の善男善女絶える事なし。病めるもの、加持水の竹筒に盛りたるを受けて下向し、御名を唱へて目を洗ふに必ず利益を得ると、『紀伊風土記』に記されている如くの名刹なり。その後、当地方に悪病、特に目の赤い人、苦痛を訴える人々が多く、はやり病が蔓延す。誰か云うとなく、この仏様に信心すれば治ると、その仏様が薬師如来と知り、早速現在の地に草庵を作り、お祭りされた。
昔より、やくしは、「山のうぐいす 里の幸」と申され、年中、鴬が冴えず、また参詣の人々の足音、鐘の音、絶え間無しと伝えられている。
■観光
当寺より東方に雨山寺がある。雨山の観音さんと通常呼ばれ、平安期には七堂伽藍も有し、当地方では本山格の寺でしたが、天正の兵火にかかり、現在では、御本尊観世音菩薩を祭り、一月十七日には盛大に会式を行い、大餅投げも行っています。又、当寺の登山口にあたる、貴志川の上流、釜の淵に、甌穴と薬師浄土が有り、当寺の発祥の地とされている。
■年中行事