■寳来山神願寺の由来
寳来山神願寺は今を去る一千拾余年。天禄の歳、人皇第五十六代清和天皇の御曽孫、鎮守府将軍、源満仲公の御創建にして、満仲公の御三男、源賢僧都を初代住職と仰ぐ名刹であります。其の後星霜移りて荒廃せしが、文覚上人(1862)熊野那智山に詣で滝にうたれ苦修練行の帰り道当山に立ち寄り、その廃頽を見て大いに慨き、一は父母冥福のため、一は法界平等利益のために、これが営繕再興を発願され上人自ら一刀三礼、大聖不動明王を刻み本尊とされ当山を復興されたのであります。
又、上人は京都高雄神護寺の荘園であった笠田之庄造成に尽瘁せられ、旧四郷村より一里余の山道を切り開き、四十八瀬川の水を引き、灌漑用水として文覚井(県史跡)を完成され民衆の祖と仰ぎ毎年七月二十一日には、文覚上人祭を厳修してその御徳に奉謝しております。
有難や文覚上人おん慈悲の
めぐみの水にうるをえる村
■文殊菩薩
十三佛の第三番は文珠菩薩さまです。文珠菩薩は諸佛の智恵をつかさどる菩薩さまで、この世の智恵を説き、それを与えるところの経典を左手に持ち、右手には迷いを断ち切る剱を持っておられます。世の中に横行する間違った考え方や邪悪な思想を断って、人びとの迷いや無智を正して佛道を歩ましめ、それによって人間社会の本当の幸せを運ぶというご利益を与えて下さいます。また当山の文珠菩薩は百獣の王といわれる獅子に乗っておられますが、これは強く正しい智恵を持って堂々と生きぬくことを表しています。この強く正しい智恵を仏教では般若と申し、尊い智恵、真実の智恵、仏智を般若という言葉で表しているのであります。御真言は「おんあらはしゃのう」であり、仏さまの智恵に帰入して、「あらはしゃのう」すなわち真言智を得て、幸せの道を行くという意味であります。仏教で説く智恵とは一つには懺悔反省であり、二つには感謝の心であり、三つには智恩、報恩の行いを行うことであります。
卯年生まれの守り本尊、縁日は二十五日
御利益は学力、商才、安産、祈雨、風雨を止めるお力をもっておられます。
寳来の山にまします文珠師利
智恵の利剱をさずけたまえや
■年中行事
元旦〜三日 |
初詣修正会 |
一月二十八日 |
初不動 |
四月二十四日 |
水子地蔵尊供養 |
七月二十一日 |
文覚上人祭 |