第24番阿弥陀寺は、恵空上人によって現在地に開基されたと伝えられているが年代は不詳である。(寺歴について、昭和20年の空襲により焼失したため定かではない。)伝えられるところによると、約750年前の草創時は、寺号も「芦寺」といったが、南北朝時代に現在の阿弥陀寺に改名され今日に至っている。
芦寺は近郷在地の人達の祈願所であり「念仏弘通道場」(念仏を究め、布教する場所)として有名であった。そのためか、武士や時の権力者の庇護を受けることなく庶民のための寺であったようである。寺域については、戦後の区画整理が行われるまでは現在の3倍ほどあったそうで、かつては境内に井戸があり、その湧き水が酒造りに適していたようで、戦前には毎日のように酒造会社が水を汲みに来ていたとか。今は道路に埋もれてしまい跡形もない。
現在の本堂は昭和35年に完成。山門と庫裏は平成6年に完成している。御本尊である阿弥陀如来、その左右に聖観世音菩薩、勢至菩薩を安置する。