第十六番 釜の口 長岳寺
(高野山真言宗)
阿弥陀三尊

 

 日本国家の発祥の舞台、「山の辺の道」中間地点に位置する釜の口長岳寺は天長元年(824)淳和天皇の勅願により、弘法大師が大和(おおやまと)大明神の神宮寺として創建された古刹である。
 爾来、千百有余年、栄枯盛衰をかさね、最も栄えた時には境内九万四千坪、塔中四十八ヶ坊、僧兵三百を擁し、興福寺大乗院傘下の一大法城であったが、度々の戦乱に巻き込まれ、今は往時の面影を残すのみとなった。
 小高い丘の上にある山門をくぐると広い境内全体が見渡せる。両脇に平戸ツツジの生け垣が続く玉砂利の参道を200メートルほど行くと我が国最古の優美な鐘楼門(国・重文/平安時代)につく。門をくぐると、浄土式庭園が視野いっぱいに広がる。その池に姿を写す本堂には本尊の阿弥陀三尊(国・重文/藤原時代)、多聞天及び増長天(ともに国・重文)など奉られている。
 本堂東側に当山開祖の弘法大師を奉る大師堂(県指定文化財)があり、釜の口大師として、毎月21日には善男善女達が参拝される。
 また庫裡(国・重文)の持仏堂(国・重文)には普賢延命菩薩が奉られ、延命長寿の信仰をあつめている。
 毎年、秋には本堂にて狩野楽筆の大地獄絵が壁面いっぱいに掛けられ、住職の地獄絵絵解き説法がおこなわれる。
 一万二千坪の静寂な境内には四季折々の花が咲き、いにしえの趣きと心のやすらぎを求め、多くの参拝者が訪れる花と文化財の寺である。
 「釜の口 こがれてみうる もみじかな
     なべてのよには あらじとおもう」沙石集

■ 関西花の寺第十九番霊場

■ 大和十三佛第四番霊場

■ 年中行事

1月10日 節会
4月21日 釜ノ口れんぞ
(弘法大師正御影供)柴燈大護摩
10月23日〜11月30日 仏画展 大地獄絵開帳
12月31日 除夜の鐘

■最寄りの交通機関

 奈良交通バス天理〜桜井線長岳寺前下車、 JR柳本町駅下車、徒歩20分、タクシー5分
※(通称)釜の口大師


(左)勢至菩薩 (中央)阿弥陀如来 (右)観世音菩薩

弥勒石仏

多聞天

 

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(御本尊) 阿弥陀三尊
(開創) 天長元年(824年)、弘法大師が大和大明神の神宮寺として、開山。
(所在地) 奈良県天理市柳本町508
(電話)

0743-66-1051